HISTORY
2002年
- 誕生
- 好奇心旺盛で負けず嫌いな性格。6つの習い事と中学受験を両立、小6で代表委員長。
中学〜高校
- 硬式テニス部・ボーイスカウト活動
- 菊章を受章。高校では文化祭実行委員長として最多動員を実現。電動車椅子開発にも挑戦。
留学前
- 統計学を専攻に決定
- インターン経験から課題発見の面白さに惹かれ、数値分析で社会課題を捉える統計学を志す。
カナダ留学中
- Langara College
- リモートで日本のプログラミング塾に勤務しながら、編入のためには良い成績をとる必要があるので、授業を取った日は 夜遅くまで勉強。
現在
- Simon Fraser University (SFU)
- キャンパスでの授業や筋トレ、友人との交流を楽しむ一方で、就活準備にも積極的。
INTERVIEW
専攻に統計学を選んだ理由
高校生時代に電動車椅子のインターンから、自分で課題発見することの難しさと楽しさを知りました。データという数値化された情報から現状分析をしたり、課題発見のやり方を学ぶ事が出来る統計学に魅力を感じたので専攻しました。
高校までの歩み
2002年生まれの小林多希人さんは、幼い頃から好奇心旺盛で負けず嫌いな性格でした。小学生時代は6つの習い事と中学受験を両立し、立てた目標に向かって努力を重ねました。また、小学6年生では代表委員長を務め、学校行事の企画・運営を担うなど、リーダーシップを発揮する場面も多くありました。
中学・高校時代は硬式テニス部に所属し、5年間部活動に打ち込みます。一方で校外ではボーイスカウト活動に注力。体力面・精神面の課題を克服するために山手線一周ハイキングや少人数キャンプに挑戦し、その功績から最高位の「菊章」を受章しました。
高校では文化祭実行委員長を務め、広報不足という課題に直面します。予算の制約や意見の対立を乗り越え、施策を立案・主導した結果、過去最大規模の参加者数を記録しました。さらに学校外では電動車椅子の開発インターンに参加。実際に車椅子で街を移動し、課題を洗い出した上で「こたつ車椅子」を企画・開発するなど、課題発見から解決までを実践しました。
留学を決めた理由
「そもそも海外に興味があった」というTakitoさん。叔父が大学時代にカナダへ留学していた影響もあり、自然と海外を意識するようになりました。慶應SFCへのAO受験も検討しましたが、その過程で「自分のやりたいことを追いかけたい」と考え、留学という選択肢を現実のものにしました。
専攻を統計学に決めた理由は、高校時代の電動車椅子インターン経験にあります。課題発見の難しさと楽しさを知った彼は、数値データを用いた分析から課題を見つけられる統計学に魅力を感じ、「データを通して社会をより良くしたい」と考えるようになりました。
カナダでの生活体験
楽しかったこと
「一人暮らしはとても楽しい」と語るTakitoさん。自由な時間とお金の使い方、そして未知の国での生活は冒険心をくすぐるものでした。
つらかったこと
一方で、生活面では苦労も絶えませんでした。ホームステイでの食事が原因で食中毒になり入院したり、シェアハウスでは大家とのトラブルや急な取り壊しで退去を迫られたり、ルームメイト同士の喧嘩が警察沙汰になったことも。その度に引っ越しを余儀なくされ、大変な日々を経験しました。
驚いたこと
授業料が毎年3%値上がりする制度にも驚いたそうです。「日本では値上げは悪いこととされるのに、カナダでは経済成長と結びついているのが新鮮でした」と振り返ります。
Langara Collegeでの学びと挑戦
編入を目指すため、毎日遅くまで勉強に打ち込みました。並行して日本のオンラインプログラミング塾でリモートバイトを行い、教材づくりや社内勉強会の企画を経験。「日本のIT教育を知る貴重な機会になった」と話します。
授業面では、現地学生の多くが高校時代からプログラミングを学んでいることに衝撃を受けました。英語力も十分でない中、知識差を痛感したといいます。
Langaraの好きなところは「教授や学生との距離が近く、質問しやすい環境」。一方で「コミュニティが淡泊で、関わり合いが少ない」と感じる部分もあったそうです。思い出としては、写真の授業を履修し、一眼レフを片手にバンクーバーの街を撮影した経験を挙げてくれました。
Simon Fraser Universityでの新生活
現在通うSFUでは、平日は授業、放課後は友人と食事や筋トレ、課題に取り組む毎日を送っています。アルバイトがない日は家事や趣味の時間に充て、充実した生活を送っています。
好きな点は「ジムが無料で使える」「山頂に位置するため見晴らしが良い」「移動が少なくて済むコンパクトさ」。嫌いな点は「通学に時間がかかること」。また、ゴルフクラブで多くの仲間と出会えたことも大きな思い出だそうです。
SFUとLangaraを比べると「機会の多さが圧倒的に違う」と語ります。就活に必要な情報や人脈が大学には揃っており、理想のキャリアを掴むチャンスが広がっていると感じています。
編入のリアル
コミュニティカレッジからの編入は「普通の選択肢」だとしつつも、GPA維持やエッセイ、課外活動といった複数の要素が問われる厳しさもあります。特にビジネスやコンピューターサイエンス専攻は難易度が高く、全ての授業でA評価が必要な場合もあるそうです。
編入のメリットは学費が比較的安いことや進学へのルートが広いこと。一方でデメリットとして「就活に出遅れる」「成績維持のプレッシャーが大きい」と語ります。
留学を通じて得たこと
「自立心が芽生えた」とTakitoさんは振り返ります。生活費や娯楽にどの程度お金がかかるかを具体的に計算できるようになり、「年収◯万円欲しい」と漠然と言うのではなく、必要な根拠から逆算できるようになったのは大きな収穫だと話します。
将来については「ITやデータサイエンスを活用して、日本や世界の業務を効率化し、もっとシームレスな社会をつくりたい」と夢を語ってくれました。
留学を志す人へのメッセージ
最後に、これから留学を考えている学生へのメッセージを聞きました。
「いい意味で海外の大学生活はあなたの期待より低いです。大学は何も与えてくれないけれど、その分、自分次第で生き方を切り拓ける。何もかもが新しい環境で、自分なりの正解を探してみてください。楽しい生き方を探している人、熱中できることを見つけたい人、誰でも挑戦する価値があると思います」