HISTORY
2002年
- 愛知県出身
2020年
- 東京大学を受験
- さまざまな紆余曲折があり、目標にしていた東京大学に向けて生まれて初めての猛勉強を行います。
2021年
- 浪人生時代
- 再度東大を目指して浪人生活をスタート。しかし、そう上手くいくものではありませんでした…
2022年
- Santa Monica College 入学
- 意を決してアメリカ留学をスタート。2年半にわたる濃いカレッジ生活がスタートします!
2024年
- Columbia University 3年次編入
- 名門アイビーリーグのコロンビア大学に見事合格されました。そして多額の奨学金まで受給されています。
INTERVIEW
プロフィールとユニークな学生時代
池田修飛さんは愛知県のご出身です。 中学受験も経験され、結果的に東京都練馬区の区立中学校に進学。「中学ではずっと剣道をやっていた」と語る一方で、「ずっと英語がネックで、先生に『やばいよ』って言われるくらいでした」と、意外な過去を明かしてくれました。
高校は、情報系に興味があったため、理系に偏った受験形式だった有名大学の付属高校を選びました。しかし、高校1年生から成績が悪く、高校2年生では「ほぼ留年が決まっていた」ため仮進級の憂き目に。当時は「ずっと友達とつるんでいて、ゲーセン行ったり、秋葉原のメイド喫茶に行ったりしていました(笑)」と、その頃のユニークな生活ぶりを語ります。
高校2年の冬には中退を決意。仲の良かった友人と一念発起し、東京大学を目指すことを決意します。高校3年生の代では、成績が悪すぎて塾にすら拒否されたため、ひたすら家で勉強する日々を送りました。その努力の結果、東大にはわずかな差で惜しくも不合格。その後1年間の浪人生活を送りますが、「新宿の紀伊國屋で漫画ばっかり見ていました。
毎日足繁く通っていて、ごみみたいな浪人生でしたね(笑)」と振り返ります。気づけば10月になり、現役時よりも成績は大幅に落ちてしまいました。 そんな中で、大学の編入制度があることを知った池田さん。編入制度を使えば、今は行けなくても後々行きたい大学に編入できることを知りました。「でも東大には編入がない。じゃあ、海外の大学だ!」と、海外大学への道を見出しました。
留学を志したきっかけとCSメジャーへのこだわり
池田さんが留学を志した背景には、日本の大学へ進むことへの抵抗感がありました。「日本の大学で、現役で進学しているやつとは一緒に行きたくないな、と。心機一転したかったんです」。 特に強く感じていたのは「環境をどうしても変えたかった」という思いです。浪人生活の後半は「鬱っぽくなっていた」り、ずっと一人でいたりしたそうです。
「物語の世界(漫画)にずっといた」状態から、「現実世界」に戻りたいという強い欲求がありました。そうして選んだのがサンタモニカカレッジ(LA)への留学でした。「立てた目標を失いたくない、やっぱりいい大学に入りたい」という強い思いが、池田さんをアメリカへと向かわせました。 専攻をCS(コンピューターサイエンス)に選んだ理由も、池田さんらしい合理的な思考に基づいています。
当初はサンタモニカカレッジでHaas(カリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクール)とUCLAのBusiness Economicsを目指し、経済学を専攻していました。しかし、CSへの変更を決意します。 「大前提として勉強は好きではない」と語る池田さんですが、その中で「やってもいいな」と思えたのがCS、経営学、数学でした。
経営学や数学は「直接的に(現実世界に)使う・応用するイメージがつかなかった」のに対し、「CSだったらプログラム・プロダクトを作れる」という具体的なイメージが持てたことが大きかったと言います。 もう一つの理由は、ITスキルを「英語と同様、絶対に必要なスキル」と捉えていたからです。「どの方面から見ても必要不可欠なスキル」であり、「大学という檻の中の強制的に学ぶ環境だからこそ、そこでCSを志した」と、その戦略的な選択を語ります。
給与面は重視しておらず、「俺が目指すのはビリオネアで、ミリオネアではない。数千万では変わらない」という、スケールの大きな目標を持っています。
コミュニティカレッジでのユニークな学習法と課外活動
池田さんはコミュニティカレッジでの生活について、「学校はあまり行かないスタンス」だったと語ります。「出席を取らないのであれば行かない、そういうスタンスに決めたんです。自分の性格や特性に、学校は合わないと気づきました」。 授業に出ないことで、「勉強に対してのストレスを減らせる、逆にね」というユニークな考えを展開。
「授業だと、『このくらいでいいか』となるけれど、授業に行かないことで、『全部覚えてやる』と気合いが入る。やっぱ内容の入り方が違うんです」。加えて、もともと理系であった程度の知識があったことも功を奏したそうです。このマインドセットで、サンタモニカカレッジ、DVC(Diablo Valley College)、Berkeley City College、ラニーカレッジといった複数のコミュニティカレッジで全てGPA 4.0という完璧な成績を収めました。
その秘訣は「スケジューリングと先生選び」だったと語ります。 課外活動では、スタートアップでエンジニアとしてインターンを経験。また、Santa Monica Collegeで友人とJSA(Japanese Student Association)を立ち上げ、Co-Presidentを務めました。他のカレッジと合同イベントなども企画し、これらの活動が大学編入の加点対象になったと分析しています。
さらに、学業優秀者のみが加入できるPhi Theta Kappa(Honors Society)にも所属しました。 特にカリフォルニア大学バークレー校については、Admission(入学事務局)が「これやったら加点されるよ」と公表している夏のプログラム(夏学期)に参加し、Berkeleyの寮に滞在しながら対面でフィードバックをもらう機会を得ました。
合格した名門大学と奨学金、そして合格の秘訣
池田さんが合格した大学は以下の通りです。
- コロンビア大学 General Studies (GS) Computer Science: ニードベース奨学金 2年間で計6万5千ドル
- ジョンズ・ホプキンス大学: ニードベース奨学金 1年間で2万5千ドル
- ニューヨーク大学 (NYU): メリットベース奨学金 1万〜2万ドル
- ジョージタウン大学
- ジョージア工科大学
- カリフォルニア大学バークレー校 Computer Science
- カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) 認知科学
- カリフォルニア大学サンディエゴ校 & アーバイン校: 1万5千ドル(さらに1年で5千ドル追加されるリージェントスカラー)
合格の秘訣について、池田さんは「エッセイは良いふうに書けた」と自信を見せます。カレッジでのGPA 4.0は珍しくないため、エッセイの比率が合否に大きく影響したと考えています。 一つ目の秘訣は、エッセイの書き方です。「論理的に書くのは大前提で、その上で自分のパッションを伝えることです。僕は、この時こう思って、次のアクションでこう活かしたんだ、という連続性が大事で、漏れなく書きました。感情が足りていないエッセイも多い」。
池田さんはエッセイを全て一人で書き上げました。コミュニティカレッジのエッセイサポートは信頼できないと感じ、自分で試行錯誤を重ねたそうです。各大学でエッセイの内容を変え、大学の求める題材と自分のストーリーが合致するように調整しました。 二つ目の秘訣は、授業選び。「みんな『Assist.org』などを使って自分の学校の要件しか見ていない」と指摘します。
大学によっては必要な単位(Requirement)の数が大きく異なり、例えばCS専攻では、ある学校では必修が1つでも、別の学校では4つ必要な場合があるそうです。DVCでは対応していない単位でも、他のカレッジ(例:ラニーカレッジ)では取得できることもあるため、複数のカレッジに入学届を出し、単位が足りない場合は他のカレッジの授業も活用したと明かしました。F-1ビザの要件を満たすため、本籍はDVCとしていたそうです。このようにして、2.5〜3年で100単位近くを取得しました。
奨学金とコロンビア大学での生活
奨学金については、「初めから獲得を狙っていたわけではないし、当時は取れるとも思っていなかった」と池田さん。ただ、「奨学金をフルで取ろうと思ったら、正直ワンランク下がってしまう可能性もある」と、バランスの重要性も指摘します。「学ぶことに興味がないのであれば、環境と知名度を優先すべき」だと語ります。
奨学金を欲している場合、「最初から動くべき」とアドバイス。池田さん自身もSMC(サンタモニカカレッジ)から、経済学専攻で成績優秀者向けの奨学金を数千ドル受け取っていたそうで、「エッセイも書いたけど、適当に書いた」と笑います。コロンビア大学での生活について、池田さんは「やっぱり賢い人が多いので、肩身が引き締まる感じ」だと語ります。教授やオフィス、カウンセラーの手厚いサポートがあり、すぐに返信が来るなど、手厚い環境に驚いたそうです。
コロンビア大学では、成績に固執している人は正直あまりいないかも。学校に目線を置いている人はあまりいない」と、社会に出てからの活躍をすでに視野に入れている学生が多いことに気づかされたそうです。「一応コロンビア大学は全部対面授業だけど、結局はオンライン感覚で、出席を取るのは少人数の授業だけ。テストで点を取れるかが全てで、テストは対面です」と、効率を重視した学習スタイルを継続しているようです。
なお、コロンビア大学のComputer Science専攻には、Bachelor of Science (BS)とBachelor of Arts (BA)があり、池田さんが専攻しているのはGSのBachelor of Arts (BA)とのことです。
今後の進路と留学を目指す学生へのメッセージ
直近の進路について、池田さんはVC(ベンチャーキャピタル)に入ることを目指しています。将来の理想像としては「会社上場」を掲げ、「社会貢献したい」という思いがあります。「信頼を得て、人のために動ける人間になりたい。ある程度自分の動きやすさは変わってくるかな」と、壮大な夢を語ります。
「いろんな仲間に囲まれて、その仲間を大事にしたい」という憧れも持っています。これから留学をする日本の学生へのアドバイスとして、池田さんはユニークな視点を提供してくれました。「アドバイス聞かない方がいいよ」と池田さんは語ります。「僕もアドバイスを色々もらったけど、どれもピンとこなくって、自分で決めて自分で考えて動いた方がよい。
それこそが留学なんです」。価値観の助言は必要ないと強調し、「自分も人から言われたらうるさいよってなる(笑)」と、自身の経験を交えて話します。奨学金を狙う学生へのアドバイスもシンプルです。「自分で考えて、調べて。結局やれている人は自分で調べていますよ。カウンセラーとか留学エージェントは浅い情報しかない」と、自力での情報収集の重要性を改めて訴えました。
池田修飛さんのストーリーは、既存の概念に囚われず、自らの目標に向かって突き進むことの重要性を教えてくれます。彼の言葉から、あなたも留学への新たな一歩を踏み出すヒントを見つけられたのではないでしょうか。