留学体験記

2026.07.12

【カナダ留学】コミカレからUBC編入|挫折と葛藤を乗り越えて

ブリティッシュコロンビア大学

Psychology

SYさん

流されるままに生きていた、横浜での学生時代

横浜市出身のSYさんは、中学から高校まで公立の学校に通っていました。
高校は単位制の高校に進学し、文系を選択。当時は「日本史をたくさんやっていた」と振り返ります。

高校生活では、部活動はバスケ部に所属し、仲間と日々を過ごしていました。
しかし、受験勉強は高校3年生の部活引退まで全く手を付けておらず、高校1、2年生のときは週に1度塾に通い、学校の宿題をこなす程度だったといいます。
高校3年生の部活引退後、本格的に受験勉強をスタート。塾では日本史の授業を「一番面白い」と感じ、現代文には自信があったそうです。

大学受験では滑り止めを受けず、行きたい大学だけを受験しましたが、結果は不合格。浪人を決意した理由もユニークでした。

「塾の授業がとても面白かったので、もう一年通ってもいいと思った」

2度目の受験に失敗した際に「次落ちたら海外に行こう」と決めていた通り、もともと日本の大学に入学しても留学したいと考えていたこともあり、留学の道に進むことになりました。

留学を志したきっかけと「なんとかなるさ」精神

SYさんが留学を志したきっかけは、英語への漠然とした憧れでした。

「英語ができれば誰とでもコミュニケーションできるなっていうのはずっと考えていました。洋画を観るのも好きだったので、英語が話せたらカッコいいなと。」

さらに、留学に対する不安はなかったと断言します。

「『なんとかなる』精神だったので。どうにかなるだろう、どうにかしなきゃいけないだろう、と。」

その背景には、幼い頃からの家庭環境がありました。

「下に妹がいるので、親は私に対して関心がそこまで強くなかったんです。『やりたいんだったらやれば?自分で調べて自分でどうにかしろ』っていう精神で育てられたので、自分で生き抜く力がつきました。」

留学を決意し、親にプレゼンした際には猛反対されたそうです。
「なんのために行くの?やりたいことないんだったら行く必要ないんじゃない?」と言われたことに対し、「英語をやってて別に損ないでしょ。給料上がるやん」と、ご自身の考えを強く主張。


予算や留学先も自分で調べて親にプレゼンしましたが、「結局渋々でしたけど、許してくれましたね」と笑います。

カナダでの生活

留学当初、SYさんは経済学(Econ)を専攻するつもりでした。
しかし、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の編入要件である数学の難しさに直面します。

「微分積分が難しすぎてFailしました。結構みんなも落としていましたね」

しかし、数学は経済学専攻の必須科目(Requirement)だったため、専攻変更を決意。

「興味があって、なおかつ簡単にDeclare(専攻を決定)できるもの」として、心理学(Psychology)、社会学(Sociology)、哲学(Philosophy)を候補に挙げ、元々興味があった心理学を専攻することにしました。
また、統計学が好きだったことから、副専攻(Minor)としてデータサイエンスを選択しています。

カナダでの生活は、楽しいことばかりではありませんでした。辛かったこととして、英語でのコミュニケーションの難しさを挙げます。

「言いたいことが伝わらないことが多かったです。交友関係を築くのも難しかったですね。カナダ人の方がオープンじゃないので、表面的な付き合いが多いなと感じました。周りの子も友達を作るのが難しいって言っていました。」

一方で、楽しかったこともたくさんありました。

「バンクーバーは景色がすごくいいんです。ビーチやハイキングもできるし、自然と都会がミックスしている雰囲気が好きでした。」

カナダのスキー場で、オリンピックリングの前にスノーボードを持って並ぶSYさんと友人たち

カレッジとUBC、それぞれの生活と学び

カナダを選んだ理由は、アメリカに比べ学費が安かったことと、寒いのが苦手で比較的温暖な場所で留学してみたかったからだそう。

SYさんは、UBCに編入するまでCamousonカレッジに通っていました。

もともとUBCへの編入を目標としている中で3つのカレッジに絞り、「どうせバンクーバーで編入後の2年間を過ごすなら、最初の2年間はバンクーバーと違うところで勉強したいと思った」ため、ビクトリアにあるカレッジを選びました。

カレッジ生活では、授業の傍らカフェでバリスタのアルバイトを経験。
「コーヒー飲み放題で食べ物ももらえるし、英語も伸びる。留学生はどんどんバイトをするべきだと思う!」と、バイトのメリットを力説します。

探し方としては、自分で履歴書を店に持っていく「ドロップオフ」という方法で、自分が訪れて働きたいなと思った、オンラインで募集していないようなカフェを探したそうです。

カレッジの好きなところは、規模が小さかったからこそ「一度できた友達とはずっと仲良くなれたこと」だと言います。
最初の授業で同じクラスになった香港人の友人に話しかけられ、一緒に勉強会をするうちに仲良くなり、コミュニティがあることで安心できたそうです。

一方で、嫌いなところは、学校の規模が小さく「クラブ活動がなく、人間関係を広げるのが大変だったこと」を挙げます。

カレッジの思い出エピソードとして、カレッジの図書館やラボで深夜まで友達とエッセイを書き続けた日々を挙げてくれました。
「カレッジの時は、とにかく成績が必要だったので、GPAを上げるためにめっちゃ頑張っていました」と、当時のストイックな生活を振り返ります。

「編入先のUBCは、カレッジとは全く違う環境です。UBCは『教えて終わり、自分でやってこい』というスタイル。勉強量は変わらないのに、カレッジにいた時とは違うプレッシャーを感じました。」

カナダ留学中、雪に覆われた山々を望むスキー場でスノーボードを楽しむSYさんと友人たち

カレッジに比べて学生が活き活きしているように見え、学業モチベーションも高い。中国人のお友達は親からのプレッシャーもあり、日々猛勉強していると語ります。

UBCの好きなところは、人との出会いが豊富で「日本人も含め、いろんな人と友達になれること」。大学の規模が大きいため、クラブやイベントも多く、多様なコミュニティに参加できるのも魅力です。

一方で、「人混みが嫌い」なので、バスが常に満員なことがストレスだと語りました。グループワークでは、学費の違う留学生とカナダ人の間に意識のギャップがあると感じたそうです。

UBCの思い出について尋ねると、「深夜まで勉強して、朝に朝食を買って勉強していた日々」を挙げました。「UBCでは勉強だけじゃなくて、バイト、ボランティア、インターンを積極的に経験しました」と、より幅広い活動に挑戦した大学生活について語ってくれました。

SYさんが行っている課外活動の一例:
・バイト(日本食料理屋)
・ボランティア(バンクーバーにあるレストランのInstagram運用、デジタルマーケティングのボランティア)
・インターン:輸入会社にて、Websiteのコーディングや統計学の知識を用いて企画したイベント前後の効果を検証 

留学を経て、変わった自分と将来への夢

留学を通して、SYさんは「Yes or Noをしっかり言えるようになったこと」が一番の変化だと感じています。

「海外の人のずうずうしさを見ていると、こっちでは自分の意見を言わないとストレスになるんです。自分の思っていることをすぐに言うようになりました。」

日本にいた頃は、親戚の集まりなどで空気を読んでいたそうですが、今では「いやです」としっかり言えるようになったと話します。

今後の進路については、まだ定まっていないと正直に答えてくれました。
「まだ日本に帰るか迷っているし、最終的にどうなるかわからないです」。ただ、「データを扱う仕事がしたい」という目標は明確で、「たくさんお金を稼いで、いい家を建てたい」という夢を語ります。

「なんとかなる」という挑戦を後押しするポジティブな姿勢は、今も変わっていません。

カナダ留学中に訪れた、歴史的な建物が立ち並ぶビクトリアの街並み

留学を志す学生へのアドバイス

最後に、これから留学を目指す日本の学生へのアドバイスを求めると、SYさんらしい言葉が返ってきました。

「とりあえず、自分で生き抜く能力を鍛えてくること。そして、ストレスに耐えられる能力。自分のことは自分でやる力は、留学生活を送る上で絶対必要になります。」

多くの来場者でにぎわう、ゲーム屋台やアトラクションが並ぶカナダの移動遊園地